30代の女性ですが、友人宅で目にした、ちょっとびっくりする収納のお話です。
その年上女性は手先がとても器用で、洋裁や編み物を趣味としていました。
その当時は「あみぐるみ」なるものに凝っていて、
私もかわいい手作りマスコットをプレゼントされて感激したことがあります。
その彼女のお宅にお邪魔した時、きれいに片付いた部屋の中、
ドレッサーデスクの脇に、少し変わったものを見つけました。
それは子どもの頭くらいの大きさでしょうか、緑色の毛糸でできた「まるいもの」でした。かんざしの類が十数本ほどささって、一見トゲの激しいサボテンに見えます。
「あっ、それね自分で作ったの、『かんざしサボテン』!」
友人の説明によると、10年ほど前からかんざしの収納に困っていたそうです。
彼女は長い髪をいつもアップにし、和風のかんざしでとめるヘアスタイルを好んでいました。
特にガラスなど、ひとつ玉がついているものが大好きなのですが、
引出しに入れておくと互いに触れ合って傷がついてしまったのだそうです。
「いちいち布や紙にくるんでしまうのは面倒だから、
針刺しの要領で『刺して』しまっておけるものがないあな、と思って。」
そこで自分で重めの編みぐるみを作り、中にも毛糸などを詰めて、
かんざしをさして収納できるようにしたのだそうです。
確かにちょっと見には変わっているのですが、
これも「飾って収納する」術のユニークな例だなあ、と感心しました。